テセウスの船

テセウスの船は実話なのかモデルは?犯人もネタバレ付きで解説

テセウスの船は実話なのかモデルは?犯人もネタバレ付きで解説
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「テセウスの船」は実話なのか?モデルや犯人をネタバレ解説していきます!

2020年1月いよいよスタートしたドラマ「テセウスの船」はご覧になっていますか?

視聴率11.1%と好発進となった本作では、原作漫画の人気と竹内涼真さんの人気が合わさって注目を集めていますね!

そんな「テセウスの船」では深刻な事件や、加害者家族の様子が描かれていますが、実話から生まれたストーリーなのでしょうか?

今回はモデルとなった人物や事件、犯人までネタバレで解説していきますので、最後までじっくりご覧ください!

 

「テセウスの船」は実話なのか?モデルとなった人物や事件を調査!


「テセウスの船」の原作は、コミック誌『モーニング』(講談社)で連載された東元俊也さんによる人気コミックで、連載されたのは2017年~2019年。

比較的新しい作品であり、単行本は全10巻で完結を迎えています。

そんな「テセウスの船」は、

  • 北海道の田舎町にある小学校で、青酸カリによる無差別殺人事件が発生
  • 警察官だった父親・佐野文吾が逮捕され、死刑を宣告される
  • 佐野文吾は容疑を全面否認し、無罪を主張

この謎を息子である主人公・田村心が明らかにしていくストーリーです。

作品の中で描かれている、主人公がタイムスリップして、過去と現在を行き来するようなシーンはもちろん空想だと分かります。

しかし、この事件や登場人物にはモデルがあった可能性もありますよね!

そこで「テセウスの船」は実話なのか?モデルはあるのか?について詳しく調べました!

 

「テセウスの船」は実話なのか?実際に事件は起きた?

「テセウスの船」は実話なのか?という疑問ですが、結論から申し上げると、実際に“北海道の田舎町にある小学校で、青酸カリによる無差別殺人事件が起きた”という事実はありませんでした。

つまり、「テセウスの船」自体は実話ではなく、作者が描いた作り話という事ですね。

しかし、作品を描く時にモデルなどの参考にした材料があり、そこからインスピレーションを受けてストーリーが描かれる事は多いもの…

となれば、「テセウスの船」にもモデルが存在する可能性がありますよね!

では、「北海道の田舎町」のモデルとなった村や、「青酸カリによる無差別殺人事件」のモデルになった事件について順番に見ていきましょう!

 

「テセウスの船」の舞台となった田舎町のモデルは?ダムがヒント?

原作を読んでいくと、事件が起きたとされる「テセウスの船」の舞台は、北海道にある田舎町“音臼村”です。

事件が起きた小学校はそこにある“音臼小学校”で、父親が務めていたのは”音臼村派出所”と描かれています。

この「音臼村」という村は、北海道には実在しない村です!

北海道の村名には、「音」や「臼」が付く名前の場所も多いので、そこからありそうでなかった名前を考えてつけられた可能性がありますね。

しかし「テセウスの船」の原作では、1989年の音臼村の人口は1200人くらいで、2020年にはダムで沈んでしまう、という設定があります。

ここから、モデルとなった村を特定できないか、もう少し詳しく調べてみると、いくつかの候補に絞られました!

 

①大夕張

北海道開発局直轄のダムで最も新しい“夕張シューパロ”、このダム建設で沈んだ町が「大夕張」です。

札幌からそれほど遠くない夕張市の左側に位置した町で、栄えていた時期は炭鉱の町でした。

多い時で、2万5千人もの人口があったようですが、1990年の人口は1500人。

1998年に夕張鉄道、大夕張の路線バスが廃止され、郵便局や警察署も廃止となり、2014年にダムの湛水が始まったことで山岳地帯以外の大部分が水没しています。

「テセウスの船」の音臼村は、1990年の人口が1200人ですので、規模的に同じくらいになりますよね。

また、村の特徴である「雪深い田舎町…」という事を考えてみても、大夕張は札幌などに比べると降る雪の量も積もる雪の量も多いですので、イメージ的にもしっくりきますね!

 

②札幌市

現在の札幌市は、北海道の中心街であり高いビルもたくさんそびえ立つ都会のイメージですが、この札幌市こそが音臼村のモデルという考察も。

札幌駅の南西にある“定山渓ダム”は、1989年に作られており、廃村の存在までは確認できませんでしたが、この1989年というのは原作の音臼村で事件が起きた年です。

また、定山渓ダムの北西には“天狗山”という山があり、天狗山には天狗が住んでいると言われているのですが、“天狗は神隠しの犯人”とされているのです。

「テセウスの船」の原作では、お稲荷様の仕業でタイムスリップが起こるという設定があり、タイムスリップのインスピレーションを受けたのも、このためではないか?という見方があるようです。

原作の1巻に登場する日めくりカレンダーを見てみると、鋼材会社の住所が「札幌市中央区南…」と札幌の住所が描かれている事もヒントの一つとなりそうですね!

 

③士別市朝日町

士別市朝日町にある岩尾内ダム(岩尾湖)にはかつて、似峡(にさま)という集落が存在していました。

この場所は特に農業や林業が盛んで、学校や診療所や郵便局はもちろんのこと交番や映画館まであり、この集落には当時は800人ほど住んでいたとされています。

しかし、この地域の水源であった天塩川はたびたび洪水被害を起こし、その後水田開発が発展したり人口増加に伴って天塩川の水の需要が高まったことも決め手となり、ついにダムが建設され、最終的には172世帯が集落から立ち退くことになりました。

原作の音臼村の設定と比べると人口も少ないですが、学校や診療所や交番があるところなど町の雰囲気がよく似ている事から候補として浮上しました!

 

「テセウスの船」の事件のモデルは?

「テセウスの船」のストーリーの原点は、音臼小学校で起きた“青酸カリによる無差別殺人事件”の犯人を突き止める、という所にあります。

この事件では、生徒と教員を含む21人が死傷したとありますね。

被害者の多くが子どもという悲惨な事件ですが、実際に1989年頃に北海道で起きた事件を確認してみても、これと類似するような事件は発生していませんでした。

唯一北海道で起きた毒物混入事件と言えば、2001年(平成13年)に男性二人がペットボトルに入った清涼飲料水をコップに移し飲んだところ、毒物が入っていたため重体となった事件。

警察の調べでは被害者の妻がペットボトルの蓋をあけコップに飲み物を注いだとされていますが、「テセウスの船」とは少々事件から受ける印象が異なりますね。

では、どの事件がこの設定のモデルとなっているのか?についても考察していきましょう!

 

①和歌山毒物カレー事件

無差別毒殺事件、と聞いて一番先に思い浮かんだ事件が、1998年に起きた「和歌山毒物カレー事件」です。

地域のお祭りで振る舞われるカレーに毒物が入れられ、犯人とされている林眞須死刑囚は今でも無実を訴え続けていますね。

この時の死者は4人で、事件当時、毎日ワイドショーで放送されていたので、記憶に残っている方は多いでしょう。

「テセウスの船」ではジュースに毒物が混入されていましたが、飲食物に混入させられている点や、無実を訴え続けている点は同じと言えますね。

 

②パラコート連続毒殺事件

この事件は、1985年(昭和60年)日本各地で発生したパラコート(除草剤)を使用した無差別毒殺事件で、自動販売機の取り出し口に毒物入りの飲み物が置かれるというもの。

それを飲んだ被害者12人が犠牲になった…というものです。

「テセウスの船」の事件とはまた特色が違うように感じられますが、この“パラコート”は「テセウスの船」でも別件で登場する毒物です。

この事件は物証もほとんどなく、犯人が逮捕されていない未解決事件とされていますが、同じパラコートを使用した事件となると、類似点を感じますよね。

 

③神戸連続児童殺傷事件

次にモデルとなった可能性を感じられる事件が、神戸連続児童殺傷事件。

こちらは毒物ではなく、1997年(平成9年)に兵庫県神戸市の当時14歳の中学生が数か月にわたり何人もの小学生を襲った事件で、当時は報道を見ていてもかなり大きな衝撃がありました。

この事件の犯人は、自分の事を酒鬼薔薇聖斗と名乗っていましたが、ニュースなどでは“少年A”と呼ばれていました。

犯人については下記でさらに詳しく掘り下げていきますが、実は「テセウスの船」の犯人も雑誌の特集ページで、“平成の重大事件の犯人・元少年A”と呼ばれているんですよね。

少年Aが起こした大きな犯罪…という意味では「テセウスの船」の事件とも類似点があるように感じます。

 

「テセウスの船」犯人のモデルは?結末までネタバレ解説!

では、「テセウスの船」の最終課題でもある、音臼小学校で起きた毒物混入事件の犯人は誰なのか!?についてネタバレで観ていきましょう!

疑われた主人公の父親・文吾はずっと無罪を主張し、息子である主人公・心はその言葉を信じて真実を追求していきます。

過去にタイムスリップをして未然に事件を防ごうとするわけですが、その中で、より強く自分の父親が犯人ではないと痛感をしていく事になるのです。

では犯人は一体誰なのか?まずは「テセウスの船」のネタバレからご紹介をしていきます!

 

「テセウスの船」の犯人をネタバレ!

「テセウスの船」で、音臼小学校で事件を起こした真犯人は“加藤みきお”です。

加藤みきおは、主人公・心の姉である鈴の同級生であり、この事件によって後遺症が残り車いす生活を余儀なくされたという男の子。

生い立ちも複雑で、父親はおらず、母親が亡くなった事で祖母と暮らすために音臼村に引っ越してきました。

自身の恵まれない境遇を恨み精神的にも塞ぎこんでいた所、転校先の学校で優しくしてくれたのが、隣の席だった心の姉・鈴でした。

加藤みきおは、鈴に好意を抱きますが、ひょんなことから鈴の理想のタイプは正義感の強い父・佐野文吾であると知り、対抗心を燃やします。

その結果、事件を起こし文吾を犯人に仕立て上げる計画を立ててしまったのでした。

 

「テセウスの船」犯人のモデルは少年A?

当時子供であり、音臼小学校の生徒であった加藤みきおが犯人だった…と何とも衝撃的な真実が明らかになりました。

小学生がこれほどまでに完璧に計画を立てて、大人をも騙して悲惨な事件を起こすなんて、考えられませんね。

もし現実にあれば、ニュースは毎日大騒ぎになる事間違いなしです。

では、この加藤みきおのモデルになった人物はいるのか?についても考察をしてみましょう!

 

神戸連続児童殺傷事件が濃厚!?

上記でも事件のモデルとなった可能性がある事をご紹介した“神戸連続児童殺傷事件”ですが、この犯人少年Aこそが、「テセウスの船」の加藤みきおのモデルなのではないか?と見られています。

実際に起きた事件の犯人は、当時14歳でしたので、小学生の加藤みきおとは少し年齢差はあるものの、義務教育中の子供という点では類似していますよね。

また、この事件の犯人が少年Aと呼ばれるようになったのは、32歳になった2015年に出版した手記「絶歌 神戸連続児童殺傷事件」。

一方加藤みきおが元少年Aと呼ばれたのも、雑誌の特集ページでの事でしたので、書籍で少年Aというキーワードが色濃く残っている所も、似ているように感じられますね。

 

精神状態も酷似!?

犯罪を犯した人の精神状態を完璧に理解する事は出来ませんが、神戸事件の犯人の初公判のために行われた精神鑑定の結果は以下の通りでした。

  • 自分の価値を肯定する感情が低く
  • 他人に共感する能力が低い
  • 虚無観や独善的な考え方強い

「テセウスの船」の加藤みきおも、家庭環境は複雑で、幼少期から心に闇を抱えていた可能性はありますよね。

ひょっとしたら、作者はこの少年Aの心情をも考えて、加藤みきおという架空の人物を描きあげたのかもしれませんね!

 

テセウスの船実話のまとめ

今回は、「テセウスの船」は実話なのか?モデルや犯人をネタバレ解説でご覧頂きましたがいかがでしたか?

実話ではないものの、これだけの壮大なストーリーは何らかの現実に起きた事からインスピレーションを受けている可能性は十分に考えられそうですよね。

そこにタイムスリップという非現実的な要素が加わる事でさらに面白さが増しています!

モデルについては明らかにされる事は無いと思いますが、色々と調べながら考察するのも一つの楽しさですね♪

ご自身なりの考察も組み立てつつ、参考にして頂けると幸いです!

ドラマ「テセウスの船」も見逃さないようにしっかりとチェックしていきましょう~!

関連サイト:公式サイト/Wikipedia